笛吹けども踊らず 2016 3 6
日本銀行がマイナス金利を導入したのは、
金融機関に対して積極的に貸し出しを増やしてほしいという願いがあるでしょう。
しかし、現実には、「笛吹けども踊らず」という結果になっています。
誰だって、「そりゃそうだ」と言いたくなるでしょう。
たとえば、駅を降りて、商店街を片っ端から回って、
「融資をするから、店舗の規模を広げてみませんか。
支店を出してみませんか」と声をかけてみてください。
たいていの事業主は、融資を断るでしょう。
少子高齢化社会を考えると、市場規模が縮小していくのに、
事業を拡大したら、将来的には厳しいものがあります。
同じ理由で、不動産融資にしても、
20年先、30年先を考えれば、
やはり、少子化によって厳しいものがあります。
一方、大企業は、手元資金が潤沢にあり、
現金の不足は感じていないでしょう。
その結果、金融機関としては融資先がないので、
資金が国債に集まり、国債市場でも「マイナス金利」という話になりました。
このような事態は、経済学的に「異常事態」と言えるでしょう。
普通は、金利を下げれば、借り手が増えて、経済が活発になるでしょう。
しかしながら、老大国になっていく過程においては、
経済学が通用しないかもしれません。
日本は、このまま老いていくのか。
この際、大胆な発想が必要です。
「起業のアイデアは、庶民の中にあり」と考えて、
使途も聞かず、低金利で、意欲がある人には貸し出しをする。
そもそも、銀行に事業計画を出したら、
銀行から、あれこれ注文がついて、
事業計画そのものが平凡なものになってしまいます。
そんな「可もなく不可もない事業計画」で成功するはずがありません。
今の時代、閉塞感を打ち破るような「新しい事業」が求められているのです。
これに対して、銀行員は、「大半が失敗するだろう」と言うかもしれません。
その通り、大半が失敗します。
しかしながら、事業というものは、
9勝1敗でも負け、1勝9敗でも勝ちになることがあります。
小さく9回も勝っても、残り1回が大敗では、事業としては負けです。
数多くの失敗を経験しながらも、あきらめないことが成功の秘訣です。
失敗を恐れるな。
失敗しない人は成功もないでしょう。
やがて、失敗の数が成功の数になる日が来るのです。
銀行の融資担当者には、夢がないのです。
さらに、夢を描くこともなく、夢を持続することもないのです。
夢を具体的に描き、さらに持続することによって、夢は実現するのです。
「いつか、日本を背負って立つ企業を育ててやるぞ」という夢を持ちましょう。
今の日本は、秀才エリートが多すぎるのです。
それが、日本の迷走の原因になっています。
多くの日本人が「坂本龍馬」を尊敬しているでしょうが、
誰も「坂本龍馬」を実践していないでしょう。
今は、受験シーズンが終わったと思いますが、
「坂本龍馬」は、どの学校にも入学できなかったでしょう。
あまりにも奇想天外な発想をするので、どの学校も受け入れてくれないでしょう。
しかし、今の日本に必要なのは、秀才タイプではなく、
「坂本龍馬」のように行動力があって、奇想天外な発想をする人です。